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2004/12/11

【ニュースの読み方】薬物騒動よりJRAの情報公開姿勢が問われるべき

「問題の塩使用」美浦10厩舎44頭全て陰性 大井競馬で飼料添加物から禁止薬物が検出され、9日夜、緊急に10日の開催が中止になったことに端を発した薬物騒動は、翌10日、JRAにも波及した。JRA美浦トレーニングセンター所属で今週出走予定だった10厩舎の44頭が同じ飼料を使っており、急きょ尿検査、血液検査を行った。検査の結果、全頭が「シロ」と判明し、11、12日の中央競馬は予定通り開催されることになった。朝日杯FSに出走する人気馬の1頭スキップジャックも事なきを得た。 ~nikkansports.com 競馬ニュース 2004/12/11 記事より引用

まず、はっきりさせておきたいのは、今回の禁止薬物検出が、意図的なドーピング疑惑であるとか、八百長競馬であるとか、そういう種類の問題とはまったく関係がないということである。JRAが発表した検査結果は「全頭陰性」。少なくともこの事実だけで、禁止薬物の摂取による競走馬の能力への影響は、何ら心配する必要がないことを理解できる。
軽種馬用総合栄養ミネラル・塩」という製品も、一連の情報を総合するかぎり、単なる塩と各種ミネラルを混合したものに過ぎないようだ。おそらく競走馬の食欲増進やミネラル補給を目的に、日常的に厩舎で使用されるサプリメントと思われ、この製品自体に何か問題が指摘されているわけでもない製造元(日本全薬工業)のHPがリリースで言及している、原料の糖蜜粉末(糖蜜吸着飼料)も、天然由来の原料(砂糖製造の副産物)にミネラルを吸着させたものと理解することができ、「ミネラル塩」の給与=悪という理解は正しくない

問題とされているのは、この製品の検査(法にもとづく定期検査)で、禁止薬物のカフェインとテオブロミンが検出されたことである。混入の原因は、意図的なものというより、製造・流通(保管)いずれかのプロセスでの管理上の不具合による可能性が高いだろう。定期検査ですぐ発覚するような禁止薬物を故意に(安易に)混入する動機など、関係者の誰にもありえないからだ。本格的な原因究明は、とりあえず、検査機関およびメーカー・流通業者による情報開示を待つしかない。

不幸中の幸いだったのは、「禁止薬物の含有量が極めて微量だったため」(JRA・滝沢勇馬事・審判担当理事)「興奮、強心作用を及ぼすまでには至らなかった」ことだ(日刊スポーツコム・前掲記事より引用)公正競馬の理念を覆すような騒動に発展することもなく、土日の競馬開催を正常に行うことができた主催者は、ほっと一安心といったところだろう。

しかし「公正競馬」という視点からは、もう一つ見過ごせない問題が残っている。
今回検査の対象とされた「10厩舎・44頭」の実名が、現時点で公にされていないことだ

検査の結果自体は44頭すべてが「陰性」。すなわち薬物に関しては、競馬に与える影響という点で何ら問題はない。しかし、土日レースが間近に迫った時点で、44頭もの出走予定馬に血液検査を実施していることには、注意が必要である。検体となる血液の採取は、人間の健康診断と同じように注射器を使って行うはずだが、馬は人間と違いじっと静止してくれるわけではない。採血中には、暴れ出すかもしれない馬を抑えるために、狭い場所で馬を保定する作業が必要になってくる。
そんな検査や保定作業が、競走馬の心身にとって、多かれ少なかれストレスを与える可能性はないのか?競馬ファンの立場からすると、これは重大な関心事である。繊細なサラブレッドにとって、微量な薬物の影響などより、こちらのほうが競走成績に直結するデリケートな問題ではないかと思う。仮に検査がスムーズに行われ、競走馬に負荷を与えるような問題でないなら、杞憂に過ぎないということになるのだろうが・・・・

レースに出走する馬が置かれた状況について、「事前に」責任あるアナウンスを行うこと。それこそが「公正競馬」という理念実現のために、主催者がとるべき最も重要な行動ではないのか?公表された情報を解釈し、馬券を買う・買わないは、ファンの選択の問題である。しかし、狙っていた馬がレースで凡走した後、調教師がコメントで「実は・・・・」などと敗因を解説してくれても、馬券を買うファンの立場からすると、もう手遅れなのだ。

土曜競馬は終わってしまったが、日曜日には大一番の朝日杯が控えている。今からでも遅くはない。JRA(またはJRAの記者会見に同席した報道機関)には、ファンに対するし、適切な情報公開を望みたい

ちなみに、上記の報道記事をみるかぎり、朝日杯出走予定馬のうち、今回の検査対象とされたのは、スキップジャック1頭の模様。この馬をどう評価すべきか?馬券オヤジの悩みは深まるばかりだ・・・・。

【※】一連の飼料薬物混入問題に関しては、Sense of Horse Lifeさんのエントリが専門的な立場から検討を加えられており、たいへん参考になりました。

12月 11, 2004 日記・コラム・つぶやき, 競馬予想・回顧アーカイブ |

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コメント

山城守 さん。ブログへのコメントありがとうございます。
やはり役所系は基本的には不都合な情報はあまり出したがらないのが習性のようで・・・。ただ、個人情報保護法も適用されるという時代背景もあるので、今回は「プライバシーの保護」という大義名分もあるのかもしれません。今回のミネラル塩はラシックスのように、利尿効果が売りのようで、灰色もあるのかもしれませんが、クロでなければ難しいんでしょうね。ご承知の通りラシックスは米国では使用可能ですが、レースの時はちゃんと(L)の印がついていました。やはり、一定の情報開示ルールは必要かと思います。

投稿: 雲國 齊 | 2004/12/12 6:24:55

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