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2004/12/08

「間違いだらけのウマ選び」ひとくち馬主の密かな楽しみを考える

my_001.jpgいわゆる「ひとくち馬主」とは、贅沢な趣味だと思う。
投資の対象はデビュー前の若駒。クラブから送られる豪華なカタログを眺めていると、どの馬も、素晴らしい素質と無限の可能性を秘める逸材であるかのように宣伝されているが、現実にはレースでの勝利はおろか、デビューしてくれるかどうかも、はっきりしない。そんな海のものとも山のものともつかぬ「商品」に、一口数万円のお金を投じ、「」を買おうというのである。
はっきり言ってしまえば、賞金の分け前だけで投資がペイする可能性はほとんど無い。純粋に商品ファンドとして評価するなら、最初から破綻している企画と言わざるを得ないだろう。もし、タップダンスシチーステイゴールドのような名馬を発掘し、ひと儲けしようと思いクラブへの投資を検討している人がいるなら、悪いことは言わないから、もっと有用なお金の使い道を考えた方がいい。「馬主気分」だけでいいというなら、POGという楽しみ方もある。

けっして安くはない身銭を切って、競走馬の「ひとくち馬主」になること。それは、決して儲けの分け前に預かったり、リッチな馬主気分を味わうことだけが目的なのではない。 1頭の競走馬に出資を申し込みお金を支払った瞬間から、自分と「愛馬」が疑似運命共同体として見えない糸結ばれ、苦楽を共にする日々が始まる。牧場での育成調教から、トレセン入厩、デビューと順調にことが運べば、2~3年にわたる時間が経過することだろう。そんな長い日々を、ワクワクと気長に楽しむことこそが、この贅沢な趣味の醍醐味なのだと思う。
順調に調教を積まれ、早い時期にデビューを迎える優等生もいれば、いつまでもグズグズと牧場を離れず、未出走のまま古馬になってしまう奥手の馬もいる。前走を好走し今度こそ必勝!と意気込んでいたら、わけのわからない凡走で掲示板をはずしてしまう愛馬もいる。しかし、デキが良かろうと悪かろうと、どの馬も自分が選んできた愛馬なのだから、やはりかわいく思える。もちろん、順調な競走生活を歩んでくれれば何よりだが、故障・体調不良・気性難と、サラブレッドならではの心配の種は尽きない。しかし、それはそれで悪くないだろう。人生いろいろ、お馬もいろいろ、競走生活に山あり谷ありである。苦難や試練もまるごと楽しんでしまうくらいの度量がもてるなら、一口数万円の値段でも、バリューフォーマネーとして悪くはあるまい。

さて、そんな楽しみに投資するためにも、まずは馬を選ばなければならない。出資馬の選択とは、あまたの一口馬主にとって最大の楽しみであり、いつまでも悩み尽きない難題でもある。2~3年のスパンで楽しむ「夢」を買おうというのだから、結果に対して納得がいく選択ができるかどうか、自分のセンスとポリシーが問われることにもなる。少なくともすぐに飽きが来てしまうような、思い入れのもてない馬には投資すべきではない。もちろん、最終的には、人それぞれの好みに帰結する問題なのだから、これが正解という答や必勝法の類はありえないのだが。

POGならドラフト会議で、エアグルーヴの息子でも、キングカメハメハの妹でも、好きな馬を指名することができるだろうが、現実にお金を投じるとなると、やはりいろんな制約がついて回る。趣味である以上、自分の財布が許す範囲で楽しむしかないだろうし、誰も彼もが、社台ブランドのサンデー産駒に40分の1口をぽんと投資できるものではない。逆に、シルクや友駿で一口1万~2万の小口出資を多点買いというのもありだが、毎月支払う維持費用は出資口数に比例する。これには、注意が必要だ。未勝利戦脱出のメドも立たない愛馬を多数かかえて、毎月1万円以上も維持会費を支払っていくのを想像すると、正直辛いものがある。

自分の場合は、サウスニアRHに入会し、募集馬への一口出資を始めてから2年。これまで、5頭の競走馬に出資をしてきた。今年は追加募集馬にも出資をしているが、500分の1口の小口出資で年2頭、という枠組みを基本に馬選びを楽しむことにしている。分不相応な無理はできないけれど、ちょっと夢も買っておきたいというということで、このクラブならではの「良血」を1頭、もう1頭は割安感のある「内国産」に出資、というのが基本スタンスだ。
「良血」に関しては、デインヒルのように日本で一応の実績を残している種牡馬もいいだろうが、むしろ夢を買うならちょっとミステリアスな要素を残したタイプこそが面白い。そのように考え、わざと日本で実績を残していないサドラーズウェルズとか、フサイチペガサスの初年度産駒を選んできた。現時点で、そんな選択の結果はまったく吉と出ていないが(笑)、ひょっとして大器晩成?と勝手な期待に胸膨らませつつ、毎週クラブからのレポートで愛馬の近況を楽しんでいる。クラシックの晴れ舞台に乗ることが義務づけられたPOG的なエリート馬だと挫折したときの失望も大きいが、早い時期に決まった型にはめられることもなく、どんなタイプに成長していくか誰にもわからない愛馬の行く末を、あれこれ想像してみるのは、悪くないものだと思っている。

サウスニアが発表した今年の募集馬のなかで興味を惹かれるのは、やはりストームキャット産駒のミス’03である。馬体の良さなど、ここ数年の募集ラインアップのなかでもダントツと評価すべきレベルの1頭だ。総額1億を超える募集価格は、たった一口だとしても投資を決断するうえで、ネックと言わざるを得ないが、ミステリアスという意味では、これ以上の存在はちょっと見あたらない。投資という意味で当たりを目論むなら、大やけどを負う可能性は小さくないので、万人にお薦めできる「良血」ではないが、「」を買うなら、なるほど、これは魅力的商品なのかもしれない。

12月 8, 2004 ひとくち馬主日記, 日記・コラム・つぶやき |

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コメント

トラックバック、ありがとうございました。
私も友駿で15年くらい一口馬主をしてますが
これはもう見返りを期待してはいけない趣味ですね。

累計で30頭くらいに出資していますがG1出走が数回と
重賞勝ちが1回あるだけですからね。(^^;;

今年もそろそろ愛馬募集の案内が来る頃になりました。
自分のかつての愛馬の子供たちの優勝を願って投資して
みようかな思っている今日この頃です。

投稿: ノース | 2004/12/12 12:00:17

ノースさん、コメントありがとうございます。

>これはもう見返りを期待してはいけない趣味ですね。

見返りはお金じゃないです。「夢」が見返りなのだと、最近になってやっと悟りの境地に達しました(^^; もちろんマイネルレコルトのような、大当たりに巡り会えれば言うことありませんが、今のところは、愛馬の未勝利戦突破というささやかな希望を胸に秘め、一口生活を楽しんでいます。

>自分のかつての愛馬の子供たちの優勝を願って投資して
みようかな思っている今日この頃です。

長く続けると、そんな楽しみもでてくるとは・・・羨ましいかぎりです。友駿は、オペラシチーとか思わぬ掘り出し物に恵まれるチャンスも多いようですね。
これからも、よろしくお願いします。ではでは。

投稿: 山城守 | 2004/12/12 21:22:49

はじめまして。ジークエンブレムに一口出資して
おりまして拝見させておりました。
ついにジークエンブレムがデビューしますね。
不安と期待が入り混じった複雑な心境です。
一目見た瞬間から出資確定した稀有な馬です。
まだ、完成には至っていませんが能力を
魅せてほしいです。
府中で躍動する黒い馬体をみるのが楽しみです。

投稿: ルドルフ2世 | 2006/10/06 10:37:11

ルドルフ2世さん、こんにちは。

>ついにジークエンブレムがデビューしますね。

待たされること、およそ2年(汗)
大物は最後に現れるというけれど、何とか未勝利戦終了のタイミングにデビューが間に合いほっとしております。同厩舎の調教相手=タイキプライム圧勝劇が強烈だったせいか?新聞紙上でも、かなり印が集まっているようですね。とはいえ、経験馬を相手に、おそらく楽な競馬にはならないでしょう。
それでも、高額募集馬の看板にふさわしい素質の片鱗くらいはみせてもらいたいし、あとは再ファンドでも何でもいいから、現役生活続行の足がかりを掴んでゴールにたどり着いてくれるのを期待しています。

投稿: 山城守 | 2006/10/08 2:08:47

初めまして 僕は 以前 一口馬主をしてました。
僕は 儲けることを 第一条件でしたので 必死で 馬選びを 考えました。初心者でしたのですが。
ユニオンに 入ってました。最初に 投資したのが チリエージェです。自分の 選ぶ目が 正しかったので 嬉しかったです。ホームページを 見てもらえると 光栄です。

投稿: 桑葉 重美 | 2014/01/21 15:04:52

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