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2004/11/29

【JC回顧】オグリを彷彿とさせたコスモバルクの変貌

決着時計2分24秒2。コース改修後のレコードを記録したキングカメハメハのダービーと比べてしまうと、1秒近く遅いタイムではある。だが、マグナーテンの刻んだ絶妙のミドルペースから、直線に入って力と力のぶつかり合いになったレース内容は、なかなか見応えがあり、歴代JCと比較しても遜色ない名勝負だったと思う。テイエムオペラオーが王者に君臨していた数年前よりも、日本馬のレベルは着実にアップしていることを改めて実感した。少なくとも上位に入線した馬に関しては、巷間言わるような「小粒」という評価は、当たっていない
Photo:(C)Horses.JP(この画像の無断転載・複製はご遠慮ください)

爆発的な瞬発力で他を圧倒したゼンノロブロイも強かったが、今日の注目は、なんと言ってもコスモバルクの変貌ぶりだろう。走破時計そのものは、ダービー7着時とほとんど同じ水準。しかし、レースの内容は、当時と比較し雲泥の差と言っていいほどの進境を示している。鬼門と言うべき第1コーナーを無事クリアすると、マグナーテンから数馬身離れた2番手で折り合い、勝負どころでもギリギリまで追い出しを我慢。鞍上の指示に忠実に応え、持てる力を存分に発揮しようとする姿勢は、これまでのバルクにはなかったことだ。
そんな気性面の進境が、戦前囁かれていた距離不安を克服し、ポリシーメーカーとの叩き合いでも渋太く差し返す粘りにつながった。じゃじゃ馬ダンスインザムードさえ手の内に入れてみせたルメール・マジックの面目躍如といったところだが、その影には、この馬の激しい気性の矯正に粘り強くとりくんだ厩舎陣営の努力があったことだろう。
長距離輸送と環境変化、レースに行けば激戦に次ぐ激戦と、並の馬なら壊れてしまうような厳しい条件のもとにあっても、馬体はさらに逞しさを増しており、この怪物が心身ともに充実期を迎えつつあることは明らかだ。次走・有馬記念に向けては大井競馬場に滞在し調整をすすめるプランのようだが、今のコンディションを維持することさえできれば、好勝負は可能だろう。天皇賞・JCで跳ね返されたタマモクロスという古馬王者の壁を、有馬記念で逆転してみせた4歳当時のオグリキャップの姿がオーバーラップしてくる・・・・といったら、誉めすぎだろうか。

以下、出走各馬の次走に向けてのメモを記す。

1着 ゼンノロブロイ
ベストの距離は2000メートルと思っていたが、2ハロンの延長も何のその。
ギリギリまで追い出しを我慢したペリエの好騎乗が、天皇賞(秋)とまったく変わらぬ凄まじいばかりの瞬発力を引き出して見せた。一瞬にして他馬を突き放してしまう非凡な脚力は、歴代JC王者と比較しても、上位に評価できるもの。
仮に次走以降、乱ペースや道悪など、この馬の決め手を殺ぐ要因が立ち塞がったとしても、目下の充実ぶりならもう大崩れは考えられない。タフなタイプで、故障の心配と無縁であることも心強い材料だ。当然、有馬記念の上位候補にランクされることになる。

3着 デルタブルース
馬体重マイナス14キロ。しかし、パドック映像で菊花賞当時の姿をあらためて眺めてみると、当時が太め残り、今回はむしろベスト体重での出走であるかのように思えてくる。中団から差す競馬でも渋太い脚を使えることがわかったのは収穫。順調なら来春、淀の天皇賞を勝利できる最有力候補にまで成長してきそう。

5着 ナリタセンチュリー
細めの造りだった天皇賞(秋)より、さらに馬体を減らしていたが、能力発揮には支障のない仕上がりだったとみたい。ゼンノロブロイをマークする作戦だったらしく中団から競馬をすすめていたが、一瞬の決め手という点で勝馬に見劣り、あっという間に突き放されてしまった。良い脚を長く使い台頭してくるタイプだけに、他馬をマークする戦法では持ち味が生きない。自分の競馬に徹してこそ、道は拓けるのだ。この馬を最もよく知る田島騎手の復帰を、激しく希望したい。

9着 ヒシミラクル
典型的な叩き良化型と言われ、今回もまだ復調途上という下馬評であったが、パドック映像をみて「おやっ?」と思った。きょろきょろと落ち着きがなかった天皇賞(秋)の気配と比べ、かなり本来の姿に近づきつつある印象を受けたのだ。レースに行っても、積極的に押して好位を取りに行く競馬。4角では外からコスモバルクに並びかけるガッツをみせ、見せ場をつくっていた。
元々、調教と実戦が一致しない、突然激走タイプの穴馬だけに、下馬評だけを信じて評価を下げることは禁物。昨年春の大活躍が蘇るかどうかはわからないが、晩成型のサッカーボーイ産駒だけに、もうひと花どこかで咲かす場面があっても驚けない。

10着 ハーツクライ
ダービー2着の激走が評価され、いまだ出走してくるたびに人気を集めるが、自らレースの主導権を握れぬモロさを今回も露呈してしまった・・・・。さすがにG1レベルになると、追込一手の戦法だけでは簡単に通用しないのだ。サンデー産駒ではあるが、神戸新聞杯などを思い起こしても、スローペースのヨーイドンが得意とも言えないようだし、ハイペース待ちの他力本願タイプ?に過ぎないといったら、評価を下げすぎだろうか。

13着 ハイアーゲーム
青葉賞の勝ちっぷりと、マンハッタンカフェを彷彿とさせる血統構成から、いまだに人気が下がってこない。だが、胴が詰まり気味の体形ひとつをとってみても、この馬は明らかにマンハッタンとタイプが異なる。大器晩成型という雰囲気はあまり感じられず、むしろ3歳春にしてピークを迎えてしまった早稲のタイプかもしれない。いずれにせよ、G1レベルでは今後も過信禁物だと思う。

11月 29, 2004 競馬予想・回顧アーカイブ |

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