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2004/10/20

署名活動で競馬は救えるか?

fuyu_no_jidai_ni.jpg北海道174億円高知88億円名古屋37億円群馬51億円、そして岩手104億円・・・・各地の地方競馬主催者が背負い込んでいる累積赤字の金額である(北海道は02年末、その他は昨年末の数字) どれを取ってみても、途方もない数字と言うほかない。今季好調が伝えられる道営競馬を例にとってみても、今年度の売上目標金額は約109億円という経営規模である。
つまり、年間売上の倍近くにまで膨れあがった損失を抱えながら、絶望的な悪戦苦闘を強いられる構図に陥っているのだ。「競馬冬の時代」とは言うけれど、あらためて実情を調べていくうちに暗澹とした気持ちになってしまった。

そんな逆風に一石を投じるべく、すでに多くの競馬系ウェブログでも広がりを見せつつあるのが、「笠松競馬の存続」に向けた署名活動である。既に6万人の賛同を集めたというこの署名活動、当ブログでもほんとうは、馬券日記 オケラセラ@馬耳東風さんからのトラックバックを頂戴した時点で、すぐにでも賛同の趣旨で記事を書くつもりだった。行政による積年の放漫経営のツケをすべて、競馬の仕事に携わる人々やファンに押しつけ、一件落着とする解決手法が正しい選択であるとは、到底思えなかったからだ。

しかし、地方競馬が今日の苦境に追い込まれるまで辿ってきた道筋を、あれこれと調べれば調べるほど、筆が進まなくなってしまった。署名活動という契機を通し、ファンの立場から意思表示を行うことは、確かに大切ではある。けれど、果たしてそれだけでこの悪い流れに抗していくことができるのか?
経営改善に関わる事柄は、当然、主催者による自助努力を待たなければならないだろう。しかし今、競馬ファンの側から考え、行動すべき課題は他にもあるのではないか。

たとえば、岩手競馬の存廃をめぐる一連の議論のなかで、こんな話題が報道されていた。競馬ファンとそれ以外の者(世間と言い換えてもよい)による、視点の相違が鮮明に浮き彫りにされた興味深い記事である。

 「競馬の開催が馬事文化の継承に結びついているとの意識が、県民、市民のなかに浸透しているとは言いがたい」  有識者でつくる「岩手競馬のあり方懇談会」が3月末、増田知事に競馬の廃止を答申した報告書に、こんな記述が盛り込まれた。  しかし、本来の県農水部の方針は違っていた。「馬事文化は絶やしてはいけない」などとして、競馬事業の「存続」を前提に、文化と競馬をどう関連づけさせるかを報告書に盛り込もうとした。  そこに、委員の海妻矩彦・前岩手大学長が異論を唱えた。  「馬事文化は競馬を実施していないところでは継承していけないのか」  県内には祭り「チャグチャグ馬コ」や「南部曲がり家」のような住家など、馬にかかわる固有の文化がある。競馬を続けなければ、これらを後世に残せない、という話にはならない――。委員会の存続論者も、海妻氏の意見に反論できなかった。 (asahi.com MYTOWN 岩手 「連載 第4コーナー岩手競馬」から引用)

競馬の楽しみ方を知っている我々ファンの視点から一読すると、前学長の議論には、もちろん違和感を感じざるを得ない。「チャグチャグ馬コ」のような伝承行事も馬事文化なら、鍛練を積んだ競走馬によるレースも今の時代に息づく馬事文化の一態様である。ジャンルに優劣はない。地方競馬の廃止とは、その土地に息づいてきた一つの文化の消滅を意味すると思う。しかし、そうした側面に対する顧慮などオミットしても構わないというのが、懇談会を構成する「有識者」の共通認識だったようである。そしてその背景には、少なからぬ「県民、市民」の競馬文化に対する無理解・無関心があるということなのだろう。もちろん、ギャンブルという側面への偏見や嫌悪も、まだまだ根強い。岩手県のように競馬振興の気運が比較的強い地域においても、世間の実情はこんなところにあるのだ

署名活動に、話を戻そう。
正直、笠松存続署名に全国から10万人の賛同が集まったとしても、それだけで今の流れを逆転していくのは難しいかもしれない。
しかし、大切なのは、数を集めることではない。署名の呼びかけを通じて、これまで競馬と接点のなかった人に対して、身近な競馬場に足を運ぶきっかけを提供することにこそ、意義があるのではないか?
色とりどりの勝負服に身を包んだジョッキーの手綱さばきに応え、力を振り絞って走る競走馬を目撃してもらうこと。馬券を通じて、競馬に参加する喜びを経験してもらうこと。そして、テレビで見るJRAのG1だけが競馬じゃないことを体感してもらうこと・・・・競馬という「文化」に対する理解者を増していくために、そんな体験の効用は小さくないはずだ。願わくば、それが地方競馬の売上向上に少しづつでも貢献し、冬の時代を変えていく契機となってくれればよいのだが・・・・。

ちょっとひねくれた署名活動賛同論ではあるが、笠松存続運動へのささやかなエールのつもりです。がんばれ!

署名はこちらのサイトで・・・・

笠松競馬を未来へつなごう(ネット署名可)
アメリカンマキ in 大倉厩舎(署名用紙の印刷可)

10月 20, 2004 岩手競馬, 日記・コラム・つぶやき |

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