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2004/10/12

【南部杯回顧2】王者の闘志に衰えなし

昨日に続き、南部杯の回顧パート2です。パドック・レース内容をみて感じた各馬の印象と、次走以降に向けてのメモなどを整理してみました。

utopia_at_nanbuhai04.jpg1着 ユートピア(横山典弘)
写真で見ると逞しそうに見えるが、実際のところ牡馬にしては細身の体形である。春競馬の頃に比べると、約10キロは馬体を戻しているが、それでもお腹のあたりが牝馬のように巻き上がり気味。ダート馬ではあるが、決してパワー型ではなく、むしろ軽快なスピードを武器に闘っていくタイプだろう。

前の記事にも書いたが、南部杯当日の盛岡ダートは脚抜きが良く、時計が出やすい馬場コンディション。この馬の持てるスピードを遺憾なく発揮するうえで、最高の舞台設定だったと言える。さらには、長いバックストレッチ、コーナー2回というコースの形態も、向いていたのかもしれない。

今回、見過ごせないもう一つのポイントは、道中のペースの問題だ。
実際に現場近くで観戦していた自分の目からみても、レースの流れはかなりゆったりとしたものに映った。後続に影を踏ませることなくリードを保ち、単騎先行していたユートピアも、道中はかなり楽をしていたのではなかったか
このあたり、「打ちつづけるハズレ券散りつづける」さんがうまく整理されていたので、以下に引用してみる。

みちのくレースのおたのしみ」さんでレポートされている「ペースが遅かったから追走が楽だった」という小林俊彦(5着ウツミジョーダンに騎乗)のコメントや、ラジオNIKKEIにある四位洋行(4着トップオブワールドに騎乗)の「もっとみんながバカバカ前に行く展開になると思ったんだけれど、意外にペースが落ち着いた」というコメントから判断すると、スローで逃げ有利の展開になったということでしょうか。
~10月12日記事「ドン、まさかの2着。ユートピアが粘り込む」より

結局、好位から追走してたグループが、みなアドマイヤドンの進出を警戒して「動くに動けない」金縛り状態に陥ったのが、こうしたペースを生んだ最大の理由だと思う。そんな展開になったとき、一番怖いのが横山典の逃げであることは、天皇賞(春)のときに、授業料を払って勉強していたつもりなのだが・・・・。まだまだ、修行が足りません。

2着 アドマイヤドン(武豊)
admire_don_at_nanbuhai04.jpg王者の状態そのものに問題はなかったことを、まず強調しておきたい。パドック入場当初は、気合いを表に出すことなくのんびりと周回を重ね、一瞬「おや?」と思わせたものの、レースの時間が近づくに連れ、徐々に闘争心が高まってくるタイプなので、不安はない。鞍上に武豊を迎えると、グイッと鶴首でファイティングポーズ。これで臨戦態勢は完了だ。

発走の直前、場内テレビに、ゲート前で輪乗りをしていた彼の顔が大写しになったが、母親ベガ譲りの三白眼で周囲を、しっかりと威圧していた。「この野郎、殺ったろうか」といわんばかり形相である。王者の闘志に、まだまだ衰えなど感じられない

誤解を恐れずに言わせてもらえば、今回の敗因は、テン乗りだった武豊の安全運転に尽きると思う。先行各馬を前に見ながら、いつでも進出できる絶好位に待機。今回は、そんな横綱相撲に安住しすぎたきらいはなかったか?結果論になるが、仮に早めにユートピアを潰し、その結果、直線余力をなくしたとしても、後方から差してこれる馬は1頭もいなかったのだから、武豊騎手にはもっと積極的な競馬をみせてほしかったと思う。

3着 ビッグウルフ(板垣)
big_wolf_at_nanbuhai04.jpgペルセウスS出走時、中山競馬場でこの馬を見たときは、まだ身体の線が崩れている印象で、力を出せなかったのも仕方ないかな?と思っていた。一方、今回は良化途上ながら、だいぶ昨年の状態に近づいてきたと感じさせるパドック。元々、見栄えのするタイプではないが、叩きつつ徐々に上昇カーブに乗ってきたことは間違いないだろう。早めに動いてもまだ味がないので、現時点では後方から差す競馬が良さそう。名手・板垣の好騎乗も光った。

4着 トップオブワールド(四位)
馬体重増加の原因がよくわからないが、実際に馬体をみても、特に太め感は感じられず、ダービーGP出走時の状態は維持されていたと思う。気負い気味に周回するニホンピロサートの直後を、大きなストライドでしっかり歩いていく姿勢にも好感がもてた。
top_of_world_at_nanbuhai04.jpg

前走で個人的に感じていた「馬体の成長ひと息?」という印象は払拭され、このデキなら悪くても3着は外さないはずと確信したが、いざレースにいくと案外な成績に終わってしまった・・・・。
結果的には、古馬一線級との能力比較で、まだ力不足だったということか?この一戦だけで、見限ることはできないが、もう少し長い目で成長を見守ったほうがよいのかもしれない。

5着 ウツミジョーダン(小林俊)
utsumi_jordon_at_nanbuhai04.jpg交流重賞初挑戦で、地方勢最先着。自らの持ち時計も大幅に短縮しての掲示板確保なら、大健闘といえるだろう。ただし、JRA勢と比較してみると、馬格・雰囲気とも見劣りがするのは、やはり否めない印象である。
古馬になって着実に成長してきた1頭であり、地元重賞なら上位常連のレベルだが、岩手の看板を背負い全国区級の活躍まで期待するのは、ちょっと酷かもしれない。

10月 12, 2004 岩手競馬, 競馬予想・回顧アーカイブ |

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コメント

 山城守さん。いつも鋭い分析ありがとうございます。盛岡で間近に御覧になっての感想なので鞍上の本心はご指摘の通りでしょうが、武JKはことによったらドンの脚色を測ったという見方はできないでしょうか。つまり、逆にどの位離せば逃げ切れるかを・・・
ドンの次走はJBC、そこからJCダート、有馬記念、フェブラリーSといくのでしょうが、ダートのレースで武が逃げ馬に乗ってきたら今度は要注意かもしれません(^^)。

投稿: 雲國 齊 | 2004/10/14 21:55:27

雲國齊さん、貴重なコメントありがとうございます。なるほど、そのような見方もありですね!
しかしゴールドアリュール無き今、意外にも、武豊のお手馬にはダート重賞級の先行馬が見あたりません。まさか、ユートピアの鞍上を横取りするとは思えませんし・・・・。となると、JCダートの外国馬などに騎乗してきた場合、注意かな?

投稿: 山城守 | 2004/10/15 1:56:00

お礼のコメントを入れるのをすっかり忘れていた。
拙エントリから引用いただいて、どうもありがとうございます。

そういえば、岩手では公式なラップタイムが発表されていませんが、「みちのくレースのおたのしみ」さんのコメント欄にて、手計算のものを確認できますよ。って、「教えてくれ〜」とあそこにコメントしたのは僕なんですが(笑)。

週刊競馬ブックには「ミドルペース」と表記されてたけれど、同ブログの方は「スロー」とおっしゃってました。ペースの判断というのは主観が入るものなんで、人によって見方が異なるだろうけれど、参考までにご報告。

投稿: みっきーおーく@打っ散り | 2004/10/17 2:39:57

わが家のネズミが勝手に暴れてしまうんで、ご迷惑おかけしました。感度を下げたんでもう大丈夫かと思いますが。それはさておき、ウインズで南部杯のVTRを見ましたが、ドンはズブいだけのような印象を受けました。ちょっと考えすぎだったかもしれません(^^;;;)。兄の種馬としてのブレイクを見るとSS系牝馬につけられるだけ更に成功しそうな雰囲気がしますので、他人のお手馬ということもあり、やはり大事に乗ったということなんでしょうか。

投稿: 雲國 齊 | 2004/10/17 3:01:51

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