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2004/09/22

【写真で回顧】セントライト記念

「いや、まいった。これは強い!」
「むむっ、確かにこれはただ者じゃないですね。驚いた!並の馬があんな競馬をしてたら、藤田の馬に差されてしまうのに」
「菊花賞もこれで決まりかっ?!」
「いや、そうとは限らない。並の馬じゃないから、かえって危ないんです・・・・」

cosmo_bulk_on_vision.jpg日曜日の中山競馬場、3階スタンドA指定席。隣の席の見ず知らずの馬券おやじと私が、コスモバルクのゴールシーンを見ながら、思わず交わした会話である。レコードタイムを記録した走破時計にも唸らされたが、破天荒としか表現しようのないその勝ちっぷりは、まさしく記憶に残る名勝負だった。

再びゴール前へと凱旋してきた五十嵐騎手に向かって、スタンドのあちこちから、思いがけず拍手がわき起こる。2コーナーでかかり気味に先頭に立ったときの戦慄と、無事先頭でゴール板を通過したときの安堵・・・・。コスモバルクの一挙手一投足は、競馬場に集ったすべての観衆の心を揺さぶり続けていたのだ。こんな芸当ができるもの、まさしくこの馬が歴史的名馬たりうる資格を備えているからだろう。

しかし、冒頭の会話で思わずつぶやいてしまったように、菊花賞での楽観はまだ許されない。よもやダービーのような大敗を喫することはないだろうが、「名馬だからこそ」危なっかしい。そんな逆説的な予感も、ゴールと同時に心の中に広がってきたのだ。
予想記事でも指摘した、この馬に関するいくつかの不安材料(距離・折り合い・プレッシャー等)。セントライト記念ではそれらすべてを力でねじ伏せ、克服してしまったかに思えるが、気性の問題ひとつとっても、現状で課題を残している馬である。次走、淀の3000メートルに舞台が替わって今回と同じ戦法をとり得るのか?馬の力を信頼してと言えば聞こえはよいが、能力に頼りきって自らペースを支配するような力任せの競馬になると、その先に伏兵の罠が待っている可能性はないのか?この馬について、考えるべきことは、まだまだ残されていると思う。

■1着 コスモバルク(五十嵐)

cosmo_bulk_09192.jpgはち切れんばかりのトモの肉付きが凄い。3階の高所からパドックを見下ろしても、馬体の充実ぶりは一目瞭然である。前走からマイナス12キロでの出走となったのは、ここに至る調整が順調に進んだ結果とみていいだろう。
随所で闘争心の激しさをアピールする場面もあったが、レース前の体力消耗につながるようなテンションの上昇は、何とか抑えることができたと思う。肉体・精神ともこの状態を維持できるなら、G1戦線でも好走は可能とみたい。

■2着 ホウキパウェーブ(藤田)

hookipa_wave_0919.jpgパドックの印象を一言でまとめるなら、馬体・雰囲気とも「どっしり」とした馬。プラス10キロの馬体重は、成長分としてすべて身になっている印象である。
パドック入場直後の時点では、やや気合い不足か?とも思えたが、周回を重ねるうちにほどよく気合いが乗ってきた。

レースでは、道中から直線手前にかけスパートし、一気に圏内まで取り付く脚力を示している。末脚はしっかりゴールまで持続しており、距離伸びていよいよ真価を発揮してきそうなタイプだ。ただし、上がり34秒台前半以内の決め手を問われる競馬になったとき、どこまで対応できるかは未知数。


■3着 トゥルーリーズン(大西)

true_reason_0919.jpg先行有利の傾向があった馬場に恵まれたとはいっても、コスモバルクを向こうに回し最後までギリギリ粘り通しているのだから、この馬も好走もソコソコ評価に値する。8月の北海道シリーズでは古馬相手に思うような結果を残せなかったが、その分、順調さ・上積みという点で、他馬を一歩リードするアドバンテージがあった。

パドックで特に目立つようなことはなかったが、北海道組、やはり侮れずである。


■5着 エスユーグランド(柴田善)

esyou_ground_0919.jpg馬体重プラス16キロと、見た目に余裕を残した仕上げ。5着という不本意な結果に終わりG1挑戦の夢は絶たれてしまったかもしれないが、ひと叩きした分、上積みは大きそう。
鞍上の柴田善臣騎手は、レース後内枠の分、思うような位置取りでレースができなかったとコメント。

もともと東京コースのような広い馬場に良績が多い馬であり、次走、府中の自己条件に出走してくれば、古馬混合戦でも首位候補として一考したい。


■6着 エアシェイディ(後藤)

air_shady_09192.jpg長期休養明けでも、デビュー当時とほとんど変わぬ馬体重で復帰初戦を迎えた。これは陣営がここを目標に定めきっちり調整をすすめたせいかもしれないし、輸送で馬体を減らしたせいなのかもしれない。格の上では、この相手に混じっても上位の存在だとは思うが、パドックの印象だけで言うと、さほど大物という感じはしない

後藤騎手によれば、馬群に入って闘争心を燃やす馬ということなので、今後、混戦になって決め手を問われるレースになれば、浮上の可能性を警戒しておく必要はある。

9月 22, 2004 競馬予想・回顧アーカイブ |

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コメント

セントライト記念では、強さをみせてくれたコスモバルクですが、菊ではどうでしょうか?
同じ戦法で三千を戦うのは無理だと思います。
前に行くにしてもどこかでペースを落として、最後二の脚を使うようなセイウンスカイ戦法が出きれば圧勝でしょうが・・・

P.S.小生もブログ作ってみました。
http://mokuni.moe-nifty.com/mokuni/

投稿: 雲國 齊 | 2004/09/24 18:04:02

雲國さん、こんにちは。
blog開設、おめでとうございます(^^)/ 先程ちらりと拝見してきましたが、守備範囲の広い話題に、ひと捻りを利かせた記事。なかなか興味深いですね。今後の発展を楽しみにしております。
さて、コスモバルクです。記事中では、菊花賞で「好走可能かつ危ない」という微妙な評価にしましたが、確かに今回のような破天荒な競馬で通用するほど甘くはないでしょう。しかし、そんなレース内容でも日本レコードを叩き出してしまうほどの能力の持ち主ですから、軽視は禁物だと思います。
現時点の評価は、最も有力な対抗といったところでしょうか。仮にこの馬がペースを作った場合、スローの決め手比べにはならず底力勝負の展開が見込まれるので、サンデー産駒以外から本命を抜擢しようと思います。

投稿: 山城守 | 2004/09/25 0:59:06

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