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2004/08/26

「華氏911」を観た

主演=ジョージ・W・ブッシュ(笑)
痛烈な現大統領批判で、物議を醸しているマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画「華氏911」を、レイトショーで観賞してきた。

ディズニーからの政治的圧力で一度は全米配給拒否の憂き目をみながら、一転してカンヌでは最高賞を受賞。日本でも、小泉首相が「政治的に立場の偏った映画は、あまり見たいと思わない」と不快感を示すなど、何かと話題の尽きない作品で、映画関連のblogを眺めてみても、その評価は賛否両論といったところのようだ。

しかし、そんな様々な見方が交錯するなかでと、無条件に同意してしまった見方がある。映画評論家・町山智浩氏の次の意見だ。(以下、引用)

 ムーアの目的はいい映画を作ることでも、
 公平なジャーナリズムでもない。
 ブッシュを一刻も早く止めさせること、
 少しでも無駄な犠牲を減らすことなのだ。

 目の前で人が死んでいくのを止めるため、ありとあらゆる手段を尽くしている男を見ながら、したり顔で腕を組んで「映画としては…」なんて「批評」してる場合か?

 今も人が無意味な戦争で死んでいるし、
 その間に、本当に悪いテロリストどもは民間人を生きたままを首切って遊んでるんだよ。
 それをなんとか止めようとしている映画に「うーん、これは映画としてアレですね」な んて偉そうに言ってる場合か?

ううむ、「我が意を得たり!」とは、まさしくこのことだな。

作品の前半1時間を使って、執拗に描かれるブッシュ政権の茶番劇・・・・。大統領一族の石油利権やサウジアラビアとの癒着、ビン・ラディン家との関係を示唆する数々の状況証拠などは、けっして目新しいトピックではないかもしれない。しかし、9.11テロの発生直後、大統領が訪問中の小学校で側近に事件を耳打ちされながら、なんら行動を起こすことなく、子供たちとヤギのお話を読み続ける(!)エピソードなどは、観客の失笑を誘いつつ、この大統領のどうしようもなさを象徴的に訴えている。多くの国民の生命が危機に曝されている渦中だというのに・・・・。

そして、そんな茶番のもとで、戦火は意図的にアフガニスタンからイラクへと広げられていく(ムーア監督は主権国家イラクへの侵略と断言しています)。一方で、アメリカ国内の世論はテロ警戒ムードが演出されるなかで巧妙にコントロールされ、貧富の格差が拡大した社会構造も背景にしながら、イラクへの派兵が拡大・・・・。戦地で繰り広げられるのは、敵・味方を問わず、人の命を奪われ、傷ついていく現実である。

この作品、たとえプロパガンダと言われようと、戦争によって数多くの人々が苦しめられているのは紛れもない現実である。そんな現実が、いったいに誰によって生み出されているのか?数々の物議も追い風にしながら、そのことを世に知らしめたというだけで、ムーア監督の製作意図は達せられていると思うし、作品としても成功していると評価すべきだと思う。

それにしても、多くの取材ソースや素材を編集し繋ぎ合わせた映像の「ざらり」とした感触や、エンディングで使用されるニールヤングの「Keep on Rockin' in the Free World」・・・・町山氏も書いていたが、ムーア監督の描写には、ロックの気配が濃厚に感じられる。「もう、騙されないぞ」と締めくくるラストのナレーション、これぞまさしくロックンロール魂だな!と、ひとり納得顔の元ロック少年=現はずれ馬券オヤジなのであった。

8月 26, 2004 日記・コラム・つぶやき |

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